2024.10/08 材料設計の方法論
ゴム会社に入社し、研究所へ配属されて初めての指導社員は大変優秀なレオロジストでした。その方から材料設計の基本を学んだのだが、その後、研究所のメンバーの手法を見ていると、設計ではなく研究をしている人が大半だった。
おおよその目標を立ててるのだが、とりあえず配合研究を行い、研究データを見ながら目標スペックを作成している人もいた。ところが目標スペックを作成している人は良い方で、何も目標を立てずかき混ぜているだけの人もいた。
電気粘性流体の耐久性問題を担当していた人は、どのような実験を行っていたかは知らないが、あとで報告書を見せていただいた時に、およそ材料設計ではなく、分析を行っていたことを知り、愕然とした。
界面活性剤を用いて耐久性問題を解決しようとしていたらしいが、界面活性剤を細かく分析し、単一成分で構造の明確な界面活性剤を選び出し、それで実験を行い、問題解決できる界面活性剤は存在しない、という結論を出している。
この手順のどこがいけないのかというと、界面活性剤を用いた材料設計を行いたいならば、まずそのシステムを組み立ててみて、システムの機能の不具合を実験で確認する作業が最初に行われるべきであるが、それがなされていないのだ。
材料設計の場合、いわゆるアジャイル開発を行い、概略システムを組み立てることが最初のステップとなる。この最初のステップをどう行うのかも問題であるが。
指導社員は、それゆえ何らかのシミュレーションが必要になる、と言っていた。そして、シミュレーションは数理モデルだけではないことも教えてくださった。詳細はお問い合わせください。
カテゴリー : 一般
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