2024.11/22 「混ぜる」技術の難しさ(8)
SPについては、理想溶液から拡張された正則溶液における凝集エネルギー密度を基に定義された数値である。その発想はエントロピー効果をモル分率で表現できると仮定し、エンタルピーの効果は凝集エネルギーの変化で溶解性を求めようとしている。
このことから、すぐに高分子でSPを求めるのは難しい、と気づかれた方は、エントロピーをよくご存知の方かもしれない。また、SPの考え方が研究により進化したとしても正則溶液という制限があるならば一般の溶媒で期待が外れても仕方がない、と諦めていただきたい。
結局やってみなければわからない、ということを説明しているのだが、それでもSPを知りたい場合が出てくる。2成分以上の混合を考えるときにSPは便利なパラメーターであり、現在のところ溶解性を議論する時のパラメーターはSP以外に無い。
その時お金をかけずにSPを求めたいならばSMALLの方法がお勧めである。SMALLの方法で求められたSPに一致する溶媒に溶かしてみて間違いないか確認していただきたい。
この方法であれば、高分子のSPも求めることができる。溶解しない微粒子の表面構造が分かれば、SPを推定でき、溶媒に分散し粒子表面の濡れ性からSPの妥当性を検証すれば、無機粒子のSPも求めることができる。
カテゴリー : 一般
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