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2025.01/07 製造業の未来(6)

最近のギター生産ではかなり機械化が進んでおり、普及品の価格は50年以上前とあまり変わらない。また、ハンドメイドギターと言っても大半の部品を機械で製造し、仕上げに一人の職人が組み立てているだけである。


ただし、そうではないメーカーも存在するが20万円までの価格帯でハンドメイドギターと称しているものはこのような組み立て方法と30年ほど前に見学したギター工房で説明を受けた。


また数人の職人が一組となり、それぞれの得意作業を手作業で行い、ギターを組み立ててもハンドメイドギターと称しているところもあるらしい。すなわちかなり機械化が進んでいるので、人間の手による精度向上を期待できる部分を機械を使わず「ハンドメイド」している。


日産自動車も100台限定生産の車について、手組を謳い、さらにそのエンジンを組み立てた職人の名前をエンジンに貼り付けておく、とホームページで説明している。


かつては機械化、オートメーションが注目されたが、その結果手作業で行うことに価値が出てきたように見える。工業製品の場合に機能品質が等しければ、コストの安い方が優れている、と言われてきたのでコストダウンに励んだのだ。


ギターでも自動車でも手作業の方が作業性と品質が向上する工程でそれが選択されただけであり、わざわざ機械でできるところを手作業としているわけではないのだろう。

コモディティー化した製品について、職人の手作業あるいは名前を付けたりしてプレミア製品とする動きがあるが、これがどこまでその価値を訴求できるのだろうか。

ギブソン社のおよそ2倍以上の価格で販売されているギターに、それほどの価値を認める人がいるのだろう。倒産しかかったが持ち直してきた。

フェアレディZやスカイラインの限定生産品は完売し、その中古品が新品価格よりも高い価格で取引されている状況をみるとブランド戦略が、コモディティー化した製品の未来の姿となるが、やはり製造業は新しい価値を製品に作りこみ発展してゆくのがあるべき姿だろう。

カテゴリー : 一般

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