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2016.06/27 配合設計(たとえば難燃性樹脂)(8)

UL94-V0以上という高い難燃性の材料を設計したい時に、溶融型の難燃化システムでは材料設計ができない。
 
このような場合、燃焼時にチャーと呼ばれる炭化層を積極的に生成する炭化促進型難燃化システムで材料を設計する。この時、LOIは他の難燃性試験法よりも重宝する。
 
ここで難燃化の機能と相関する高分子の一次構造因子や高次構造因子があるならば、化学分析を行いその量を計測しておくとよい。また、燃焼試験結果を考察するために高分子の熱特性の情報は有用である。
 
一般に用いられている熱重量分析(TGA)や熱機械分析(TMA)、熱走査時差熱分析(DSC)を測定すると、火災時の熱分解や膨張変化について材料科学の視点で理解が深まる。
 
難燃剤の分散状態を知りたければ分析用のSEMやTEM、XMAなどはその手段の候補となる。ある環境対応難燃性ポリマーアロイPC/ABSのSEM観察結果について紹介する。
 
EDAXによるリン原子Pのマッピングを拡大した写真では、リン原子の存在しない領域が分布している様子が観察された。難燃剤のシステムによりこの分布は変化するが、ABS相の分布とうまく一致している。
 
また難燃剤の計量を簡便に行いたいならば赤外分光法(IR)が役立つ。ノウハウになるが、先に説明したR-PETを80%含むポリマーアロイでは、粘弾性評価も材料設計に使用している。

カテゴリー : 高分子

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