2016.11/13 原子力発電の問題
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ところで、政府が廃炉を含めた抜本的な見直しを進めている日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で、配管などに残っている放射性物質を含むナトリウムが約760トンに上ることが6日、原子力機構への取材で分かったそうだ。処分方法は未だ決まっておらず、廃炉が決定した場合は大きな課題になりそうだという。
現在進められている東電福島原発の後処理の問題も同類だが、原子力技術関係の研究者や技術者は、その問題解決能力が極めて低いと言わざるを得ない。すなわち、今の時代、どのような技術でもそれが搭載された商品について環境アセスメントをしないメーカーは存在しない。PL問題を事業存続を左右する最大リスクとして捉えているからだ。
原子力技術について、5年前起きた福島原発の問題で初めてその実体を知ったが、発電所で事故が起きたときや、発電所を閉鎖するときの方法や経済性について考えられていない、いい加減な技術だった。そして未だこの問題に対して誰も国民の満足できる回答を出していないのである。
そのような状態で原発再稼働などできるはずがない。福島原発のようなことを想定して、国民がその対策に満足したときに原発再稼働が可能かどうか結論を出せる。福島原発の40年以上かかる後始末について、東電の負担ではなく大半は国民の負担で進められている(注)。その他の原発についても同様の事態が想定されたならイデオロギーやアレルギーは別にしても、論理的に考えてみても再稼働賛成派が多数にならないことは明らかである。
少なくとも福島原発の後処理について、東電一社がすべてを犠牲にして行っています、という状態を国民に見せなければ、いくら発電所のアセスメントを完璧に行ったとしても国民の納得は得られない。すなわち原発再稼働の問題は、すでに答えが見えている問題なのだ。
それにしてもその商品を廃棄するときの処分方法を考えずに販売しているような間の抜けた事業をどうして原子力事業者は行ってきたのだろうか?納得できる答えを知りたい。問題解決法のセミナーではこのような問題を起こさないノウハウも指導致します。
(注)原発の再稼働できない状態でも何とか電力供給は滞っていない。もし、原発を再稼働しない限り現在の生活を維持できない、という状態になれば、考え方が変わる人が出てくるのかもしれない。しかし、再稼働すれば経済負担が増すリスクが高まる状態では、電気を節約してでも再稼働して欲しくない、というのが多くの国民の意見ではないだろうか。東電の退職者には未だに東電から企業年金が支払われたり、給与水準も高い状態であり、これだけでも国民の理解は得られない。本来ならば経営者の報酬0で運営されるべき状態の会社である。日本にはそのような中小企業が多くあり、少なくとも東電の経営もそのような中小企業と同様にすべきである。これは厳しい意見ではなく、先週日曜日NHKで放送された内容では、暗にそのようなメッセージを伝えている。この問題について国民は「あるべき姿」を真剣に考え政府に求めてゆくべきである。