2017.01/09 高分子材料(3)
高分子は、何も添加されていない一種類の高分子を加工しても3つの構造ができるという。
すなわち結晶化しやすい凝集部分、樹脂であれば微結晶になっているかもしれない構造と、非晶質の構造、そして非晶質の構造は密度の高い構造と密度の低い構造ができる。
これは、紐を乱雑にまとめて放り投げ、床に落ちてできる模様を見れば、何となく理解できる。高分子は紐状の分子なのでこのモデルで高分子の構造イメージを学ぶと高分子物理を理解しやすい。
不規則に重なった紐の構造をよく見ると、スカスカの構造が幾つか観察できるが、これが自由体積部分と呼ばれる構造である。高分子の非晶質構造の中には、このようなスカスカな構造、自由体積部分が必ず存在する。
高分子の射出成形体の密度がばらつくのは、この構造を制御しにくいためだ。すなわち,高分子の自由体積が高分子物性のばらつきと関係している、と言っても言い過ぎではない。
例えば密度がばらつけば、弾性率や誘電率が必ずばらつく。誘電率がばらつけば、屈折率もばらつく、という具合である。
カテゴリー : 高分子
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