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2017.01/15 高分子材料(9)

高分子のガラス転移点で困るのは、熱分析の方法で1℃から多いときには10℃ぐらいまで異なる値になることだ。例えばDSCで求めたTgと粘弾性装置で求めたTgとは5℃以上異なる。

 

だからガラス転移点が問題になるときには、どのような方法で測定したガラス転移点なのか確認する必要がある。このような測定装置による違い以外に高分子の配合組成によっても影響を受ける。

 

例えば、二種類の高分子をブレンドするとガラス転移点(Tg)は二つ現れるが、この二種類の組み合わせで相溶が起きたときには、Tgが一つになる。またTgが一つになった時に二種類の高分子は相溶している、と判定したりする。

 

このことから相溶という現象が非晶質相で起きている現象であることが想像できる。実際にいまだかつて二種類の高分子が相溶したまま結晶化した例は報告されていない。

 

Tgは、高分子の履歴やその状態、緩和現象の情報など様々な情報を持っているが、その測定結果から情報の意味を知る方法について大系だった知識としてまとめた論文が見当たらないのは残念である。もしご存じの方がいたら教えて頂きたい。

カテゴリー : 高分子

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