2017.01/19 界面活性剤と高分子
一次構造が異なる二種類の高分子AとBをブレンドすると大半は島が海に浮かんでいるような、あるいはサラミソーセージのような海島構造となる。このときどちらが島になるのかは、比率で変化するが、添加割合が少なくても海になる場合もあり複雑である。
この時、AとBの構造を有する分子を添加すると両者がよく混ざり合って島が無くなり均一になる場合がある。このとき高分子は相容した、と表現され、AとBの二種類の構造を持った材料を相容化剤と呼んでいる。
このあたりの現象は、水と油の二相分離しているところに界面活性剤を添加し、エマルジョンとする操作と類似している。材料科学を考えるときに、異なる分野の現象で類似しているような操作方法と対応させて眺めると面白いだけでなくアイデアも出やすい。
すなわち高分子材料を考えるときに、界面活性剤の科学も一緒に勉強しておくとその見方が少し広くなる。
当方は写真会社に入社して高分子科学を真剣に勉強したが、その時に役だったのがセラミックスで泥しょうを設計する技術だった。豊富な界面活性剤に関する経験と知識で高分子材料の理解が容易となったのは、高分子材料は単品で実用化されることはなく、必ずブレンド物として実用に提供されるからと思っている。
カテゴリー : 高分子
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