2025.08/26 オブジェクト指向による配合設計(2)
昨日の問題の難しさは、科学的に解こうとすると解けないところにある。すなわち、科学で問うことができても、解けない問題である、ということだ。
このような問題をトランスサイエンスといい、1970年代のアメリカで生まれた概念である。その後セレンディピティーなる概念も生まれているが、何故かセレンディピティーだけ当時日本に伝わり、トランスサイエンスが日本で注目されるようになったのは21世紀になってからである。
1980年代の日本はバブル景気であり、どちらかと言えば後ろ向きの印象があるトランスサイエンスという概念を嫌ったのかもしれない。
このトランスサイエンスの問題を日本の高分子材料トップメーカーが6年間研究開発しても解けなかった。すなわち、科学的に攻めていても解けない問題は、どんなに頭の良い人でも科学的に解けないのである。
頭のよい人たちの問題点として、自分たちが考えてできなかったから誰もできないだろうと考えるところである。問題というものは、解き方を変えれば簡単に解ける、というよりも、解かなければ技術ができないのであれば、非科学的な方法で解決しなければいけない。
科学が唯一の問題解決法ではないのだ。ちなみに産業革命は科学誕生以前に始まって現在に至る。科学が成立していなくても産業革命は始まったのである。
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