活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2025.08/30 AIと知識労働者

現代を「知識労働者の時代」と表現したのはドラッカーだが、AIの登場でその知識労働者の立場が揺らでいる。例えば、形式知について、AIに質問さえ適格にできれば、もう専門家は必要ないと言える。

むしろ、chatGPT登場時に話題になったプロンプトエンジニアリングの専門家一人おればよい。ところがこのプロンプトエンジニアリングは、少しコツを覚えれば誰でも専門家になれる。

弊社ではそのための教材を用意しており、セミナーの依頼があればいつでも対応可能である。当方は外部セミナーでこれからの技術者はPythonとプロンプトエンジニアリングを身に着ける必要性を指導している。

専門家以外に形式知で稼いでいる職業は、すべて何らかの影響を受ける。弊社は経験知と暗黙知を中心に活動してきたのでAIの登場で、日本においてむしろ仕事が増えるのでは、と期待している。

AIの弱点が経験知に依存した回答に現れることは、ハルシネーションの問題を考えるとすぐに理解できる。例えば、高分子のフラクトグラフィーでは、プロンプトの工夫が必要で、これを行わなければ、新バージョンでもうまく解析できない。

高分子のフラクトグラフィーができることに驚いたのは2年前だが、金属やセラミックスの形式知から器用に回答を生成してくれる。

この事実は、アカデミアの高分子物性研究者を慌てさせるかもしれない。なぜなら、この分野でフラクトグラフィーは、学問として完成していないのである。

学問として完成していない知をセラミックスや金属で体系化された形式知から学んで回答をする、この「芸」は驚異的である。このような芸ができても、タグチメソッド解析プログラムのPythonコード出力になるとうまくできない。

それらしいコードを吐き出してくれるが、ハルシネーションがよくわからないコードであり、逆に害がある。タグチメソッドについては、第一次AIブームの成果で生まれたエキスパートシステムのような考え方でAIを構築しないと難しい。

カテゴリー : 一般

pagetop