2025.09/03 事務のコストダウン
昨日80万円のローンを手取り10万円も無い新入社員が会社業務を行うために上司から命じられた話は、今なら大問題だろう。当時のこのような今の時代では信じられない話がまだあるが、少し笑える話を書いてみたい。
研究費を節約するために、OHP用紙の代わりにPETフィルムの元巻から切り出して使え、という指示が研究所長から出された。当時OHP用紙の価格が1枚100円近くした時代である。
1枚当たり1/5程度の価格となり、研究所の使用量を考慮すると大きなコストダウンになるという。そして、複写機の横に切り出しやすいようにA3幅のPETの巻物が置かれた。
A4幅になっていなかったのは、保管場所含めコストを抑えるためだったようだ。このA3幅のPETの元巻が設置されてから、複写機の故障が多くなった。A4サイズに利用者が断裁して用いていたが、2枚に1枚程度詰まるのだ。
しかも連続供給ではなく一枚ずつの処理しかできない。ひどい時には5枚に1枚成功する場合もあった。PETの巻き癖が原因とわかり、OHPとして使用する前に切り出して実験室の片隅に放置し巻き癖をとるように指示が出た。
その後もなんやかやと問題が起きたが、この所長が異動されたとたん、どなたかがPETの巻物を処分され、市販のOHP用紙を使用して良いことになった。
ゴム会社の研究所ではこのようなことまでしてコストダウンを行っていた一方で、当方の使用していた電気炉が突然出張中に廃棄される、というもったいないことも行われていた。
一人で住友金属工業とのJVを立ち上げた直後の出来事だが、我慢している。JVにより、その電気炉の使用頻度が減る話を事前にしていたが、廃棄までされるとは思っていなかった。
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