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2025.11/08 ワークライフバランスの過ち(1)

未明の3時から会議を開催したことがニュースになり騒動になっている。約50年前、数日会社に宿泊し、工場実験用のホスファゼンを合成して、難燃性ポリウレタンの工場試作に大成功した新入社員時代を思い出し、世の中の変化に驚いている。


この工場試作の大成功がその後始末書騒動となり、新入社員なら査定に響かないから、という理由で、始末書を書くように命じられている。てっきり会社に宿泊してホスファゼンを合成したことが問題になっているのかと勘違いした。


数日会社に宿泊し工場試作の準備をしたことを反省しますと書こうとしたら、それは書くな、と言われ、結局上司が満足できる始末書の内容になるまで、業務停止し、始末書の内容を数日考えていた。


始末書の内容を考えるために図書室に籠ったところ、図書室でソフトウェア工学の面白い論文を見つけた。オブジェクト指向の黎明期であり、アルゴリズムとデータをどのように扱うのかが問題となっていた時代である。


世界初のポリウレタンを開発せよと言われ、その工場試作に大成功したところ、始末書を書くことになったのも、難しい問題ならば、アルゴリズムとデータの扱いも難題だった。


図書室に籠り、オブジェクト指向と始末書の内容を考える地獄にはまった。ホスファゼン変性ポリウレタンについてオブジェクト指向で記述したところ、ホウ酸エステルとリン酸エステルの組み合わせ難燃剤の企画を思いついた。


結局始末書はこの新しい企画のシーズとしてホスファゼン変性ポリウレタンの工場試作が必要だった、という内容でまとめて騒動が終結している。これは今から考えると若さゆえの頭の柔軟さだと思っている。


今なら始末書を命じられた時点で辞表を提出している。約50年前、なぜこのように素直に始末書を考えて書こうとしていたのか、不思議に思うことがある。しかし、初心に戻って思い出してみると、働くことに純真で考え方が健全だったことに気がついた。

カテゴリー : 一般

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