2017.05/01 強相関マテリアル
セラミックスは、結晶構造と物性が相関する材料である。また、金属も同様で原子間距離と相関する物性も報告されている。このようなある構造因子と物性が相関する材料を強相関マテリアルという。
ところがこの言葉はあまりポピュラーではないようだ。材料物性を物質の構造との相関でとらえる考え方は、少しアバウトなところがあり科学的ではない側面がある。しかし、材料技術を開発するときには重要なコンセプトである。
アバウトついでに昔読んだ物理の教科書に書かれていた凝縮系として液体と固体をとらえる考え方を紹介すると、導体である金属と絶縁体への変化を相転移と捉え、原子間距離の関数としてこの変化を記述するのだそうだ。
そして凝縮系の物性を理解するには導体側から考えるアプローチと絶縁体側から考えるアプローチがあるという。科学の教科書なのに大変アバウトな本だと思い面白そうなので衝動買いして独身寮で読み始めたら、量子化学の本だった。
量子化学など大学の専門の授業で講義を聴いた時以来なので、懐かしいはずなのだがあまりにも難解で懐かしさよりも眠りの誘いが強く寝てしまい、その本はお金の無駄使いとなった。
その本のタイトルは「強相関物質の基礎」という本で、どうも強相関マテリアルという言葉はこの本が語源だったようだ。すなわち科学的ではないように見えた言葉が実は科学で論理を進めるうえで必要となり生まれてきた言葉だった。
カテゴリー : 高分子
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