2026.01/08 難題
これは20年ほど前の話だが、今でも難題だと思う。国内トップメーカーのコンパウンドで数年研究開発を続けてきたPPS半導体無端ベルトの押出成形技術の話。
これが歩留まり10%前後なのに、半年後には量産できる、という前提でプロジェクトが進んでいた。突然リーダーが、窓際だった当方にリーダーを交代してくれ、と言ってきたのだ。
そして、単身赴任して最初のコンパウンドメーカーとの打ち合わせで、コンパウンドの改良をお願いしたところ、「素人は黙っとれ、勝手に自分で工場でも立ててコンパウンドを生産してみろ」とコンパウンドメーカーの部長に言われ、コンパウンドの改良以外歩留まり向上策が無いテーマで、いきなり暗礁に乗り上げた。
QMSの問題があり、サプライチェーンや配合、その他の変更は難しい状況で、半年以内に問題解決できるのか。当時の当方のアクションは一つの正解だと思っている。
QMSの対象となっていない子会社の敷地にコンパウンド工場を3か月で立ち上げ、残り3か月で量産までの手続きをすべて行い、歩留まり100%となった半導体無端ベルトの量産を開始したのである。
これは実話である。しかし、非科学的方法で問題解決している。科学的にはコンパウンドメーカー部長の当時の見解は正しかった。しかし、それでは歩留まりが上がらないのである。
科学的に正しくても技術的に成立しない解決策では、生産はできない。このあたりは、科学の時代にあって、なかなかご理解いただけない方が多い。今年はこのような難題について科学を道具に使う方法を提案したい。
弊社は、15年間数々の難題を解決してきた。その手法も今年は公開してゆきます。ちなみに、20年前のこの難題は、PPSと6ナイロンを相溶し、わずかなスピノーダル分解で生じる力を利用し、カーボンのソフト凝集体を生成させて、そのパーコレーション制御により問題解決している。すなわち、カーボンのソフト凝集もパーコレーション転移の結果であり、これはWパーコレーション転移制御技術というとんでもない技術がわずか3か月で出来上がったのである。その後、当方の提案を拒否したコンパウンドメーカーからカオス混合技術の特許が数件出ている。特許を出願するくらいなら、最初当方が提案したときに実行していただければ、当方が私財をなげうって仕事をしなくてもよかった。毎週東京と豊橋の新幹線往復はお金がかかった。昨年は、某クライアントからの相談でこの技術を他の高分子マトリックスで再現させて問題解決している。ただし、この時はカオス混合ではなく伸張流動を活用した分散である。
カテゴリー : 一般
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