2017.06/01 科学と技術
ニュートン力学誕生以後生まれた科学のおかげで技術の進歩の速度は速まった。20世紀はまさにこの科学の世紀と呼ぶにふさわしい成果がたくさん生まれている。しかしだからといって科学的ではない技術を軽視してはいけない。
それが無ければ商品の生産ができない場合も多い。生産現場は必ずしも科学的成果だけで成り立っているわけではない。
技術は科学誕生以前に人間の営みとして存在していた。科学の誕生により、自然界の理解が進み、その中に潜む機能を取り出しやすくなった。また、その機能の取り出し方法や使い方を科学的に伝承することにより、科学を学んだ人間であれば誰でも容易に再現できる。
これは一つの真理を追究する科学ゆえの恩恵で、学校教育でも科学を教育の中心にすえて大半の人は12年以上科学について学ぶことになる。しかし、技術の方法について学校教育で取り上げていないのは問題である。
全く取り上げていないわけでなく芸術分野の授業で少しそれを学ぶ。しかしメーカーの製造現場を経験しない限り、技術を技術として学ぶ機会は乏しい。はじめて本格的に技術を学んだのはゴム会社における2ケ月近い工場実習においてである。
その現場には改善班が組織されており、工場の各種改善をQC手法で行っていた。QC手法は科学的なプロセスを現場で活用できるように工夫されていたが、現場ではこのQC手法以外にも試行錯誤による改善が主に行われていた。この実習は人間の営みとしての技術を体験した貴重な機会だった。
カテゴリー : 一般
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