2026.04/09 直交表を用いる実験
直交表を用いる実験といえば、実験計画法である。しかし、実験計画法で材料開発を行うと、最適点が外れることがある。これには50年近く前にゴム会社の研修(日科技連BASICコース)で痛い目にあっている。
研究所では統計手法を業務に導入するのはアホと陰口を言われていた。面白いことにタイヤ開発の基礎研究所ではすでに多変量解析はじめ当時の先端の統計手法が使われていたのに、コーポレートの研究所ではそれが否定されたのだ。
ただ、実験計画法で痛い目にあってみると、研究所の陰口にも納得できたりした。しかし、会社が一人50万円もかけて研修を行っているのだ。業務に導入しないのはおかしい、と思い、実験計画法の研究を趣味で行っている。
これも研究所でいじめられる原因となったのだが、最適点を外すと周囲によく笑われた。嘲笑を受けながら工夫して、直交表の外側に相関係数を割り付けると、最適点が外れないことを発見した。
これは、タグチメソッド(TM)で直交表の外側にSN比を配置する手法と類似である。TMでは、誤差因子も外側に配置して実験を行うが、TMを実験計画法と呼んではいけない、と故田口玄一先生はいつも言われていた。
TMは統計手法ではないのだ。例えば感度は相関係数に似たような性質だがTMの感度は相関係数そのものではない。また、感度も含むSN比は標準偏差と異なるTM独自の指標である。
すなわち、TMでは直交表を用いるが、それゆえ実験計画法と誤解される、と田口先生は嘆かれていたのだ。このお気持ちはよく理解できた。当方も実験計画法で嘲笑を受け、相関係数を外側に割り付ける手法を編み出しているので、その手法が実験計画法ではないように感じていたからである。
カテゴリー : 一般
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