2013.02/03 迅速な研究開発を可能にするマネジメント<1>
バブルがはじけて以来、研究開発のスピードアップが言われ続けているが、この20年特効薬について話題に上らない。おそらく万能薬が無いため、と思います。
ゴム会社における高純度SiCの開発では、研究シーズが生まれてからパイロットプラント建設までに1年と1ケ月の極めて超スピードの展開でした。これは世の中がファインセラミックスフィーバーのさなかで、世界初の経済的な高純度セラミックス合成法という経営にもわかりやすい成果だったから、と思います。企画および推進担当者としてキツイ毎日でしたが、経営トップのバックアップがあったために業務を何の障害もなく進めることができ、短期間で成果を出すことができた。
一方定年間際の再生PETの内装材実用化では、企画から量産まで半年であったが、これは周囲の援助の賜物でした。難燃剤無添加でUL94-V2を狙った意欲作のつもりでしたが、ここでは書きにくい失敗談があります。しかし、同僚のバックアップで何とか製品にのりましたときには、改めて迅速な研究開発とは何か、どうしたら実現できるのかが見えたような気がしました。
話が前後しますが、基盤技術など何もない中で、企画申請から設備投資決定、混練プラント立ち上げまで4ケ月というウルトラC級の開発もあります。マネージャーとして推進した成果ですが、この開発では裏ワザの連続で、社内の研究開発管理規程をどのように帳尻を合わせるか企画申請前に十分な戦略を練りました。
以上迅速な体験談を3つ例示しましたが、この3例から、迅速な研究開発を実現できる万能薬がある、と思っています。それは明日。
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