2017.07/14 自動車の未来
自動車の未来について、二年前のモーターショーでは水素を燃料とする燃料電池車が本命のように展示されていた。しかし昨今の状況を見ていると燃料電池車が必ずしも本命ではなさそうだ。ただ電池というキーワードだけは確実で、すでにEUでは30年後にガソリンエンジン車を禁止すると言い出した国も現れている。
昨日未来を予測するのが難しいようなことを書いたが、電池というキーワードが確定しているので電池を動力のエネルギーとして用いるときに必ず必要な周辺機器に着目すればかなり確度の高い未来予測をすることができる。
自動車の安全運転とAIとの関係においてもやはり未来予測は易しいだろう。さらにレシプロエンジンが無くなれば車のデザインも大きく変わる。また動力がモーターになるので車の設計も変わる。
このように考えていくと、自動車の未来技術の概要を描くことができ、それをもとに今研究開発に力を入れなければいけない分野が見えてくる。そしてドラッカーが言っていたように今起きている変化を整理すれば具体的なテーマが見えてくる。
例えば高分子材料分野では、PPSというエンジニアリングプラスチックの市場が急成長している。例えば東レは韓国工場を稼働させ、中国のローカル企業のリニアタイプPPS合成工場も立ち上がった。
ところがこのPPSという材料は、結晶性樹脂で脆い材料だ。おまけに射出成型をすれば、ウェルドの問題が出やすい。また表面状態が悪い成形体になるなど問題が多い。このPPSの問題を解決でき、PPSの物性を損なわない添加剤は開発テーマになり、いくつかは特許が公開されているが、満足な添加剤が無い。最近弊社では従来にない画期的な添加剤を開発し、特許出願を行った。もしご興味のある方は問い合わせていただきたい。
カテゴリー : 一般
pagetop