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2017.08/14 材料科学

20世紀末日本で始まったセラミックスフィーバーは世界的なナノテクブームを引き起こした。このセラミックスフィーバーは、1960年代の圧電素子として注目されたペロブスカイトが引き起こしたフィーバーを第一期とするならば、1980年代のそれは二期目である。

 

1980年代のセラミックスフィーバーで無機材料の科学が大きく進み、ほぼその体系が完成した。1970年代には有機合成化学の体系がほぼ出来上がったので、20世紀に高分子材料以外の素材に関する体系はほぼ出来上がった、と思っている。

 

高分子材料については、20世紀から21世紀にかけて、結晶に関する研究が大きく進歩したが、ポリマーブレンドあるいはポリマーアロイに関する研究は、研究者により評価が異なる。材料を階層化してとらえようという提案がなされた段階、と当方は捉えている。

 

高分子の構造の階層化については、20世紀に一次構造と高次構造だけだったが、現在は構造サイズで階層化して考える方法が行われている。

 

金属材料やセラミックス、高分子さらにはシクラメンの香りの合成など素材に関して、当方はすべて1年以上の研究歴がある。学位論文は,高純度SiC新合成技術の反応速度論が半分を占めており、セラミックス分野の比率が多いが、ポリウレタンやホスファゼン導電体の合成なども含まれている。

 

材料についてすべての分野について研究して面白いと感じたのは、それぞれの分野で微妙に研究時の視点が異なるところである。例えば低分子の有機合成では分子の骨格に着目して研究が進められ、高分子材料の研究でも初期にはその流れから一次構造が注目された。しかし高分子について今は階層構造の視点で研究が進められている。

 

この階層構造の視点はセラミックスや金属が本家であり、この分野では20世紀に強相関物質という概念が生まれている。面白いのはこのコンセプトが21世紀初めに高分子に展開され強相関ソフトマテリアルという概念が生まれたことだ。

 

 

カテゴリー : 一般

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