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2017.08/10 麺屋「楠」

WEBニュースをみていたら、本当においしいラーメン店の探し方なる記事があった。その記事によれば二十年前にラーメンバブルと呼ばれる時代があったそうだ。それ以来新しいラーメン店がどんどん登場しているという。

 

事務所の裏手に表題のラーメン屋がある。4,5年前にできた店で店主はまだ若い。仕事は丁寧で、そのしぐさを見ているだけでもおいしいラーメンが出てきそうで雰囲気はこのあたりのラーメン屋でトップだろう。4年前に今の事務所を借りてから、月に一度程度この店のラーメンを食べている。もちろんうまいから食べているのだが、これまでに少なくとも3回スープの味についてマイナーチェンジをしている。

 

三河屋製麺のオリジナル麺を使い、スープは魚介とんこつ系という基本は変わっていないが、最初に感じた独特のインパクトが少し無くなり、万人好みのまろやかなおいしさの方向に変わってきている。明らかにおいしくなってきているので間違いではないが、イワシの味が表に出ていた最初のスープが面白かった。

 

今もイワシの味はするが、探さなければならないくらいである。ところで2ケ月前に閉店した近所の老舗ラーメン屋「あおやぎ」は深夜しかやっていなかった店だ。中国出張から夜帰国した時には、家族に内緒で立ち寄っていたが、古いタイプのラーメン屋だ。イワシとカツオのダシの強烈なインパクトがしょうゆベースのスープに独特の風味を出していた。店主はかなりの年配で、当方が板橋に住む前から営業していた先住民である。

 

「楠」のラーメンは、この「あおやぎ」のラーメンほどではないが、イワシのダシが独特の風味を出すのに一役買っていた。すなわち改良により個性が薄くなっていったのだ。当方は最初の味でも気に入っていたので、少しもったいないような気がしている。

 

さて、WEBの記事には、10年間店を観察すると本当においしい店かどうかわかると書いてあった。すなわち10年の間に店主により味が熟成されるからだという。すなわちこの記事では、味の改変を認めているのだ。この記事に従えば、「楠」のラーメンは今熟成されている最中のようだ。弊社へ午後訪問される方は、一度この店のラーメンを食べていただきたい。

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