2017.08/15 時代と人生
終戦の日ということで毎年この時期になると先の大戦に関する番組が多い。先日はNHKでプロ野球選手の兄弟を題材にしたドラマが放送されたり、終戦後も樺太の部隊に戦闘命令が出ていたドキュメントが放映されたりしているが、どれをみても戦争と平和、そしてわが身の人生を考えてしまう。
言うまでもなく、今の時代と戦時中では、人生の自由度は大きく異なる。戦時中の人生に比較すれば今の時代は社会問題がいろいろあっても自由度ははるかに大きい、と言える。
時代という軸で人生を眺めると、人生の自由度が大きいゆえに見失いがちであるが、今の時代は誰もが幸福になれるチャンスがある。今の時代だけで人生を眺めると幸福感の偏差は大きいかもしれないが、それでも、絶対値で眺めると空襲で明日をも知れぬ時代よりは、はるかに幸福である。
社会格差や貧困は今の時代のキーワードになっていても、戦時中の生活に比べれば、社会全体の幸福度は高いだろう。先の大戦は異常だから、という人もいるかもしれないが、それは平和が70年以上続いているのを当たり前に考えすぎである。
いつ何時この社会全体が地獄に陥るのか分からないのが国際社会の掟であることを忘れてはいけない。グローバル経済の流れが戦争回避に役立つ一方で、現代のこの社会の不幸を創り出す原因にもなっている。しかし、戦争で生まれる不幸に比べればはるかに小さい。
終戦記念特集番組を見ながら、戦争と平和という大きなテーマではなく、わが身の人生を考えた。ただし、それは井上陽水のヒット曲「傘が無い」的な考察ではなく、幸福なこの社会へ感謝し今自分は何をすべきか、という反省である。平和な時代の老人は、小さなことでも良いから社会貢献を考えるのが幸福感を味わう一つの方法だ。
カテゴリー : 一般
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