2017.08/23 技術開発の方法(1)
退職してから技術指導を6年間行ってきた。起業したばかりの頃は、日本で仕事が無かったので主に中国ローカル企業を指導し、熱伝導樹脂や光散乱樹脂、各種PPSコンパウンド、廃材を活用した環境対応樹脂などの技術成果を出してきた。
また、日本では二次電池やプロセシング技術において技術調査を行ってきた。最近は日本でも中小企業からお声をかけていただき、今ここでは書けない先端技術の開発を企画している。
ゴム会社と写真会社在職中の技術開発環境のように恵まれていないところでも、それなりにイノベーションができることを実感したわけだが、日本型技術開発を理解していない事業主相手にその希望を叶えるのに役立ったのは、30数年の技術開発における心がけであった。
ゴム会社では褒められ、写真会社では批判されたが、今どきの技術開発はアジャイル開発を目指すべきだろう。そして必要に応じて科学的研究を行えばよいのである。科学的方法が技術開発の王道と決めた人などいないのである。
確かに科学的方法は重要で、科学的方法により正しく出された結論のみ万人に指示される。しかし、科学的方法によらなくてもモノを創り出すことが可能となった時代に、いつまでも科学的方法が唯一という考え方はアカデミアでは必要だが企業では、もう忘れてもよいのではないか。
企業では科学的方法も存在する一つの方法、という軽い考え方でよい時代になった。むしろ今まで軽視されてきた経験知や暗黙知を体系化する工夫をした方が良いのではないか。非科学の世界にも技術の生まれる可能性がある。
カテゴリー : 一般
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