2013.02/26 高分子とセラミックス
高分子材料とセラミックスは、物質としてかけ離れた材料に見えますが、力学物性の発現機構に似ているところがあります。特に結晶化度の高い樹脂の脆さなどはセラミックスとよく似た挙動をとります。
力学物性を専門にやっておられる研究者には叱られるかもしれませんが、商品に構造材料を組み込むときには、セラミックスも高分子材料も同様に扱った方が安全です。即ち金属材料に比較して品質管理が充分に行われなかったときのペナルティーは大きいです。
金属材料には錆びとか外観上の問題でセラミックスや高分子よりも品質問題を引き起こすリスクが高い因子もありますが、少なくとも構造材料として用いたときの力学的信頼性は、セラミックスや高分子よりも高い。
学生時代には、セラミックス<<高分子<金属の順序で構造材料としての信頼性を学びましたが、1980年代のセラミックスフィーバーでかなりセラミックスの技術革新が進みました。高分子材料につきまして信頼性を向上できるような革新的技術は、複合材料以外ありません。ポリマーアロイを革新的な技術にあげても良い面はありますが、実務の観点では合金の信頼性に及びません。実務で射出成形や押出成形を経験し、高分子材料のコンパウンドから成形プロセスに至る品質管理の重要性を痛感しています。
カテゴリー : 高分子
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