2018.01/14 高分子の難燃化技術(7)
アンチモンとハロゲンの組み合わせ難燃剤システムが最強と武田先生はその研究から結論を出されている。しかし、軟質ポリウレタン発泡体では1980年代に、アンチモンとハロゲンの組み合わせシステムが新技術に置き換わっている。
1970年代のゴム会社で販売されていた難燃性軟質ポリウレタン発泡体には、三酸化アンチモン粉と塩ビ粉が難燃剤システムとして使用されていた。この技術はGT社から導入された技術で、ポリオールにそのシステムを分散した材料をGT社から購入していた。
このシステムは、当時販売されていた難燃性軟質ポリウレタンの分野で最も優れた技術と評価されていた。ただし、塩ビ粉や三酸化アンチモン微粉を用いていたので、製造プロセスでこれらが沈降する問題を抱えていた。
プロセス適性に問題はあったが、商品物性のバランスが良かったので1980年代に新技術が開発されても一部の商品で使われていた。後日説明するが、1980年代に開発された新技術とは、燃焼時にガラスを生成して難燃化する当方の発明した技術である。
この技術は、以前この欄で紹介しているが、新技術でありながら、特許出願してすぐに学会発表されている。今から考えると少しもったいない発表のタイミングであったが、このおかげで、当方は高分子の難燃化セミナーにたびたび招待されるようになった。
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カテゴリー : 高分子
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