2018.04/28 一眼カメラのレンズの「味」(2)
ソニーの85mmGマスターレンズは、高額であるが、「ボケ」が大変美しく映る、「ボケ」好きには垂涎のレンズだ。また、懐かしい映画のワンシーンのような写真が撮れるときもあり、カメラの腕が上がったような錯覚になる。
しかし、一つ間違えるといわゆるネムい写真になるから、それを使いこなすには腕も要求される。このボケについては、ペンタックスのリミテッドレンズ3種がバランスよく設計できているように思う。
フィルム時代から使い続けているが、色乗りがよく、ニコンほどではないが、ピントの合っているところはピシッと決まり、ボケ味も悪くない。二次元の媒体で三次元の世界がうまく表現される。
当方が10年ほど前に開催された国際ボディーペインティング大会の写真の部で優勝した時の写真は、ペンタックスD20へ77mmリミテッドレンズをつけて撮っている。
D20というカメラは、当時あまり性能のよくないデジタル一眼だが、適度なノイズが銀塩フィルムの画像のように機能するので、すっきりくっきりのいかにもデジタル画像というキャノンと対極にあるデジタル一眼だった。
ニコン、キャノン、ミノルタ(ソニー)、ペンタックス、そして異色のシグマがデジタル一眼メーカーだが、ペンタックスを選ぶ意味はこのフィルム時代に開発されたリミテッドレンズにある。このレンズは当方の最も気に入ったレンズである。
ところが、このボケについて徹底的にうるさいのは、ペンタックスの24mmF2スターレンズだ。ペンタックスで光学性能が優れたレンズシリーズとしてスターレンズがあるが、絞り開放状態でこのレンズを使うと、とんでもない写真となる。
見ていて疲れるような背景の写真となる。2段ほど絞ると改善されるが、それでもボケの汚いレンズである。今はもうディスコンになった20年以上前の古いレンズだが、ボケ以外は最高のレンズだと思っている。
どこが良いのかというと、色の乗り方や光っているものが画像に入るとそれがきれいな光芒になる。光芒はフィルターを装着すれば発生させることもできるが、その現れ方が極めて自然である。
例えばこれでポートレートを撮るときに、モデルに目薬をさしてもらうとたまらない美しさの瞳を撮ることができる。但し、バックのボケはわさわさとうるさくなるのでスナップ撮影では使いにくい。ただ絞って使ったときに得られる画像はすばらしくよい。ちなみに弊社のホームページのすべての画像はこのレンズを使った写真である。
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