2018.05/04 一眼カメラのレンズの「味」(3)
レンズの映りに対して昔から哲学を変えていないのはニコンである。とにかく映したい被写体を徹底的にくっきりとそのままに描けるようにレンズ設計されている。いわゆる「カリカリ」の映りだ。
女性雑誌のほとんどは、おそらくニコンのカメラで撮られているのではないだろうか。キャノンも使われているかもしれないが、あの女性雑誌のモデルの様な写り方をするのがニコンのレンズの特徴である。
だから科学撮影をするときにはニコンに限る。20年以上前のフィルム時代からニコンとペンタックスを使っているが、記念写真を撮る必要があるときにはニコンを使うようにしている。
たまたまペンタックスカメラに24mmF2スターレンズをつけて携帯していた時に記念撮影を頼まれた。タイマーを仕掛けて自分も列に加わろうとしたときにミスをした。カメラが当方を追跡し始めたのだ。
今時のカメラは自動追尾機能があるのでこのような場合に注意をしたほうが良い。ペンタックスの自動追尾機能は遅いので、たまたまシャッターが切れたときにピントが外れた。
画像をその場で確認すればよかったのだが、家で見てびっくりした。皆牛乳瓶の様な目で映っていたのだ。すなわちピンボケ写真となっていた。画像処理ソフトで修正を試みたが、何とかそれぞれの顔が認識できる程度までしか修復できなかった。こんなことがあって、重いニコンを我慢して持ち出すようになった。
D2Hを購入後F100を防湿庫に保管していたら、購入して5年しか経過していないのにバックカバーのフックが壊れた話は、当方のセミナーでよく取り上げる。技術のニコンと知られているが、高分子材料技術ではイマイチで、F100ではブリードアウトも起きている。
しかし、くっきり抜けが良い画像が欲しいときにニコンは欠かせない。キャノンでも駄目である。やはり、くっきりスッキリという画像はニコン独特のレンズの「味」かもしれない。もしニコンの技術者がこの欄を読んでいたなら、高分子材料について当方に相談していただきたく。ニコンカメラの弱点である。
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