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2018.05/03 ギブソン倒産

ギターメーカーの老舗ギブソンが破産申請をしたという。ティアックとかオーディオメーカーの買収を続けてきたがギターの売れ行きが悪く、資金繰りが立ち行かなくなったという。ギブソンといえばアコースティックギターよりもエレキギターが有名で、そのコピー品を売るエピフォンも実績を上げてきた。

 

アコースティックギターでは、マーティンという大ブランドがあり、ギブソンのアコースティックギターハミングバードは、苦戦している。もっともハミングバードだけでなく、昔のギルドなどもブランドだけ残った状態なので1960年代のギターブームのように事業を展開できていないのだろう。

 

1960年代の日本ではマーティンギターのコピーが多数販売され、井上陽水が使用して有名になったS.ヤイリ、そしてその兄弟が経営したK.ヤイリ、クラシックギターで有名だった松岡良治のブランドを扱っていたアリア、家具などの木材加工から転業したモーリス、東海楽器のキャッツアイ、バイオリンメーカーから派生した木曽スズキやチャキ、民社党党首の関係会社カスガ、独自路線のヤマハ、ギブソンのコピーを販売していたキャンダ、など多くのブランドが誕生し世界に輸出された。

 

その年輪の模様が美しいため高級ギターのボディー側板に用いられたハカランダという木が伐採禁止になるほどギター生産が行われた。今高級品にはローズウッドが使われ、ハカランダは超高級品にしか使われない。しかしこのハカランダも伐採禁止になる前に伐採された材木が無くなればハカランダ製ギターは無くなる。

 

材木が無くなるほど生産されたギターだが、ギブソンの倒産に代表されるようにギター市場は21世紀になり縮小した。日本のブランドも今残っているのは、独自のサウンドを構築できたメーカーだけだが、S.ヤイリのようにブランドだけを海外メーカーにゆずり細々と事業を続けているところもある。

 

また、愛知県海部郡にある寺岡製作所ではアリアはじめ多くのブランドのギター製作を行っているところもあり、業界は様変わりした。

 

日本では高度経済成長の時に、ピアノはじめ音楽の手習いがブームとなったが、中国やASEANではそのような現象が起きていない。1960年前後の日本は今の中国のような経済状態で、街にはギターを担いだジーパン姿の若者が多かった。しかし今の上海の街中を見てもそのような若者はいない。中国でギターブームが起きればすぐにギブソンの経営状態は上向くのではないか。

カテゴリー : 一般

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