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2018.05/31 知識(1)

先日カオス混合装置のことを書いていて、暗黙知なるものに思いが至り、わけのわからない内容になった。

 

これまでの人生でアカデミアの方もびっくりされる技術発明をいくつかしてきたが、高純度SiCの発明とカオス混合の二つの技術は、驚かれただけでなく、高い評価をいただいている。

 

高純度SiCの技術では、自作した超高温熱天秤で反応速度論の解析まで行った実験をO先生に話したら、データを見せてほしいと言われた。そこでデータを見せたところ勝手に論文を出されてしまった。

 

早く論文を出さなければいけないから、とその理由の説明をされたが、ご自分をファーストオーサーとして書かれた点になると歯切れが悪い。このような不誠実な先生もおられるから企業の方はアカデミアの先生にご相談をされるときに注意された方がよい。

 

高純度SiCの発明は、形式知で考えていたら絶対にできなかった発明である。これについてO先生が熱く解説してくれた。すなわち、フローリーハギンズ理論で否定されるポリマーの組み合わせで実現しているからである。

 

そして、この理論で否定されるポリマーの組み合わせでもリアクティブブレンドならば相溶でき、この研究は、相溶できないポリマーの組合わせを相溶できる唯一の方法を提示している、とあたかもご自分が初めて成功されたような興奮で語ってくださった。

 

もっとも当方もそのように考えてフェノール樹脂とポリエチルシリケートの組み合わせで必ず成功すると思い、試行錯誤を繰り返し成功したのだから、その当方にこのような熱い語りをされても、ただ呆れるだけだ。

 

専門家が他人の研究を奪ってしまいたい、と嫉妬するくらいの発明は、優れた発明と言えるかもしれない。この視点でカオス混合装置も同様で、元神戸製鋼の技術者H氏は、某社セミナーの講演でカオス混合装置をご自分の発明と説明されていた。

 

特許を調べればこれが嘘であることがわかるので信じている人はいないと思うが、そこまで調べない受講者は信じている人もいるかもしれない。

 

昨日の当方の講演ではこのあたりの問題について30秒ほど触れたが、興味のある方は弊社へ問い合わせていただきたい。

 

H氏の講演では少し腹が立ったので、講演終了後H氏に注意をしているが、「大変すばらしい仕事をされた」と上から目線で褒められ呆れた。年を取った技術者は図々しい。

 

他人の研究を素晴らしいからという理由で自分の研究とする不誠実な人間だけでなくFDを壊して研究の妨害をする人もいるので、他人と共有化しにくい暗黙知の扱いは難しい。

カテゴリー : 一般

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