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2018.07/09 勉強(2)

AIの普及で知識労働者の仕事が奪われる、と言われている。過去の大小の産業革命が多くの職人から仕事を奪っていったようにこの未来予想の半分は当たっているかもしれない。

 

しかし、AIは情報を集め、それを過去の方法で知識に加工することはできても、今どのような情報を選びどのような知識を身につければよいかは、AIにはできないはずである。少なくとも現代のどんどん成長しているAIは人間の作ったプログラムとモデルの教師データをもとに動いており、情報をAIの知識に変換するときに特定のパターンになっているはずである。

 

分かりやすく言えば、AIの知識なるものは、そのAIを生み出した人に必要な知識であって、多くの人間にとってAIの提供する知識は単なる情報に過ぎない場合がある、ということだ。すなわち、AIの生み出す知識が情報の価値程度にしか活かせないような仕事は、人間の仕事として残ってゆく、ということだ。

 

知識は人間の知恵により情報が昇華されたものであり、形式知はその意味からAIは人間と同じ知識を身に着けることになるが、経験知は必ずしも全ての人間が同じものを身に着けていないという理由で共通の知識になるとは限らない。さらに暗黙知になるとAIは身に着けるのが苦手のはずである。

 

このように考えると、AIが知識労働者のすべての仕事を奪うとは考えにくい。経験知や暗黙知が重視される知識労働は残ってゆく。さらにその仕事において、その仕事を継続するために何を勉強してゆかなければならないのかを要求されるような研究開発職は将来も残ってゆく。

 

おそらく未来の研究開発職では、AIを操り問題解決できるスキルと「何が問題か」を考え出すスキルとが厳しく求められると思われる。だから今のように形式知を中心とした勉強しかできない人には厳しい時代になる。AIの時代とは、本当の「勉強」という活動、すなわち今何を学ぶべきかが求められる時代だ。

 

 

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