2018.06/26 オールスターファン投票
「中日松坂大輔投手がファン投票先発投手部門で約39万票を集め、1位で選出された。出場すれば、西武時代の06年以来、12年ぶりとなる。2位の巨人菅野に約15万票の差をつけた。」
「記者会見では「1位になって、ビックリしているのが、正直なところです。選手にとっては、すごく光栄なことだと思う」と話した、とのこと。」
以上は、昨日の日刊スポーツデジタル版の情報である。このような現象は初めてではないだろうか。
当方の世代では江川氏が怪物と呼ばれたが、それほどの実績を残さず早々と引退し、芸能界でその才能を開花させている。
松阪投手については、江川氏と同じ道をたどるのか、と思っていたら、そうでもなかった。おそらくファン投票にはそのような気持ちも込められているのではないか。
誰もが認める才能ある人材が、努力を怠って期待通りの結果を残せなかった事例は山ほどある。
一方才能だけに頼って、寿命短く終わる場合や、運悪くケガをして再起できないまま引退という事例もある。
松阪投手も過去の事例の一つになるのでは、と多くの野球ファンは思ったのではないか。当方も彼の復活など信じていなかった。しかし、今期彼は泥だらけになりながらも復活のための努力をしている。
多くのファンは、それが極めて大変なことだと理解し、彼の野球にかける気合に共感したのだろうと思う。それがファン投票の結果に出たのだろう。
イチローの老体に鞭打つ姿にも感動するが、松阪投手にはイチローとは異なる種類の感動があり、今期は開幕より隠れて応援してきた。
才能は、その人個人のものであるが、それを社会で生かす努力ができるかどうかは、人間力による。
松阪投手は自分のために努力しているのかもしれないが、一生暮らすのに十分なお金があってもプライドを捨てファンの前で投げたいという真摯な意気込みは、その職業の性質として貢献の類である。
カテゴリー : 一般
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