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2018.10/09 高分子の混練(4)

高分子の混練は、混練したいゴムや樹脂が発生する剪断流動と伸長流動により進行する。ところがゴム業界と樹脂業界で混練に対する考え方が異なっていることを知らない技術者は多い。当方はゴム業界の考え方が妥当と思っているが、樹脂業界の技術者は自分たちの考え方が正しい、と信じている人もいるから問題が発生したときの議論が難しい。

 

まず、ゴムがTg以上Tm以下の領域で混練されていることを樹脂技術者は知らない。ゴムはバンバリーとロールで混練されるが、その混練時間もまちまちで、30分近くゴムのコンパウンドをロール混練することもある。樹脂よりも丁寧に混練している。

 

以前、パルプとポリエチレンとを混練したが、二軸押出機で混練した場合とロール混練した場合ではその物性が大きく異なった。ロール混練した場合にはポリスチレン並みの樹脂になったが、二軸混練機で混練した場合にはポリエチレンよりも物性が悪く臭かった。

 

ロール混練では異臭の問題を解決できたが二軸混練機を使った場合には臭くて臭くて改良する気も無くなった。へは5分もすれば匂いが無くなるが、この時の匂いは、なかなか取れないだけでなく、体にも匂いがついた。

 

痴漢として疑われるのも迷惑だが、異臭のため電車の中でじろじろと見られたのは嫌だった。この時ほどはやくテーマを辞めたいと思ったことは無い。だから二軸混練機にはあまり良い印象を持っていない。

 

だから、二軸混練機についてどうしても批判的な視点で見てしまう。ただこの偏見のおかげで13年前にカオス混合機を発明することができた。二軸混練機だけでは問題解決できない、とテーマを担当した時にすぐ決断できたからである。

カテゴリー : 高分子

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