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2019.04/16 人材不足

最近の話題として人材不足がある。一時期高齢者のリストラが話題になったが、最近はその高齢者も引っ張りだこだ。他社から依頼されて人材を探してもなかなか見つからない。

 

また、人材不足の要因の一つとして、新入社員が30%前後恒常的に3年以内に退職していることが原因ともいわれている。新卒者がこの割合で退職しているのなら、中途入社は、と調べてみたら、新卒者の様なデータはなく、様々な数値が出てくる。しかし、近年中途入社の早期退職が増えている傾向だそうだ。

 

新卒者が30%前後の安定した数字ならば、30%多くとれば解決するが、中途入社の場合にはそのようなわけにはいかない事情がある。すると中途入社組をどのように定着させたらよいのか、という問題が重要となってくる。

 

当方も写真会社に中途入社し、転職直後バブルがはじけたために転職先の組織がリストラされ、その時に次の転職を考えた経験がある。またバブルがはじけても声をかけてくださった地方の会社が4社ほどあったので、家族に話せず大いに悩んだ。

 

今から思えば、なぜあの時転職していなかったのか不思議である。外部から引きがあり、内部では押しがあれば転職を考えてしまうのは当然だが、もし転職していたなら異なる人生になっていたのでは、と思いを巡らせたときに中途入社組の定着を高める秘策を思いついた。

 

中途入社組の定着率を悪くしている原因として、中途入社組に対する研修内容がある。そもそも中途入社組に対して写真会社のように研修を行っていない会社もある。当方は転職してびっくりしたのは、いきなり配属されセンター長付主任研究員として業務をしなければいけなかったことである。

 

午前中総務課長から簡単な説明があった程度でほかに何も指導は無く、午後配属先に出勤したら、いきなりセンター長のアメリカ出張の調整を命じられた。庶務の女性から見せられた帳簿ではセンターの予算は赤字状態で、とても退職前のセンター長の目的不明のアメリカ出張費100万円を捻出できるような余裕はなかった。しばらくして社長から全社員向けに経営危機というショッキングな講話がビデオで配信された。

 

センター長からはそれでもアメリカ出張の調整をするようにつつかれて、常識的には会社を辞めたくなるような状況だった。全社の研究予算を精査してもそのような予算をひねり出せる状況ではなかった。

 

センター長からはアメリカ出張の予算確保だけを仕事と思って推進するようにはっぱをかけられ3ケ月取り組んだ結果、写真会社の経営状態を学ぶことになった。

 

磁性体事業で年間数千億円の赤字を垂れ流していた。今から思えばこれが研修だったのだろう。ありがたいテーマをくださったセンター長はしばらくしてアメリカ出張をすることなく退職した。

 

センター長のアメリカ出張費についてはゴールを達成できなかったが、会社の事業構造を理解でき、既存事業に密着したテーマを企画し次々とゴールを実現している。残念なことにそれでも給与はそれほど上がらなかった。

 

頑張っても報われない社会、という東大の先生の話を書くつもりは無く、バブル崩壊後の失われた20年をこの写真会社で頑張って、変異原性のあった添加剤を使用しない接着技術や、金属酸化物透明導電体を用いた帯電防止技術、ライバル会社のコアシェルラテックスよりも機能の高い有機無機複合ラテックス技術、3元系ポリマーアロイ接着技術、高温アニール技術、インピーダンスによる新規帯電防止評価技術、薄膜の粘弾性評価技術、空隙受像層のインクジェット用紙、カオス混合技術、再生PET樹脂技術など当方がいなかったら生まれなかっただろう技術を写真会社で開発し、自己実現に努めた。

 

また、退職前の五年間に瞬間芸的に袋井にある写真会社の子会社で建設したカオス混合のプラントは、現在は神戸の事業所に移設されトラブルなく稼働しているという。昨年末はゴム会社で起業した高純度SiC半導体治工具事業が名古屋の会社へ移管された。こちらも有機無機複合材料を前駆体として用いた当方がいなければ生まれなかった事業であり、いまだ現役の事業として続いている。

 

その結果、セラミックスや金属から高分子技術まで、さらにはこれらの複合技術である有機無機複合材料の専門家として知られるようになり、現在は、混練技術に関するセミナー、帯電防止技術に関するセミナー、シリコーンポリマーに関するセミナー、高分子の難燃化に関するセミナー、技術開発手法に関するセミナー、フィルム成膜技術に関するセミナー、滑り性付与に関するセミナー、ブリードアウトに関するセミナーなどおよそ専門家の少ない領域のセミナーに講師として国内外で招聘される機会が多い。昨年は国内以外に2か国で講演を行っている。

 

頑張ったにも関わらず、その会社で評価されなくても、身に着けた知識や技術はさらに価値を生み出すことを知っていただきたい。コンサル業を始めてからも、PPS-炭素繊維複合材料の開発、およびその押出技術を可能とした新規添加剤の開発、CNTの水分散技術、皮革の難燃化技術等その他まだここで書くことができない成果を国内外で生み出している。

 

人材不足であっても知識不足ではないのが日本である。材料技術でお困りの会社は今すぐ弊社へご相談ください。人材不足を補うソリューションも提供させていただきます。困った時の神頼み、より頼りになる弊社を活用すれば何か技術が生まれます。また、カオス混合技術に関する問い合わせが増えております。

 

 

 

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