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2019.05/02 役割から出てくる仕事、そしてそれを遂行する姿勢

平成から令和に変わったのだが、昭和から平成に変わった時と大きな違いがあるのは、今回は祝賀ムード満杯である点だ。老人が所有する運転免許の返納が最近問題となる大きな事故が起きた。

 

免許を返上しても困らない環境に住んでいて、87歳になっても返上の決断ができず事故を起こしている。このような事件と今回とを同列に扱うのは失礼で問題かもしれないが、ある資格なり役割を返上するという決心のタイミングは難しい。

 

象徴天皇では、生前の行為である点が議論となった。しかし、今回のムードを考えると難しい問題はともかく、象徴天皇の姿勢としてその決断は正しかった、と言える。

 

そもそも象徴天皇という国家的役割を置いているのは日本だけであり、これを後世に受け継ぐのは、日本人であるアイデンティティの一つだろう。しかし受け継ぐにしても、その役割から出てくる仕事については、戦後いきなりできた役割ゆえに大変だ。

 

それを平成の時代にずっと考えてこられた、この姿勢そのものが、また象徴天皇としての重要な仕事の一つだと思う。時代によりその仕事の中身は変化してゆくだろうし、そもそもその仕事をどのように決めるのかもシステムが無いような役割である。

 

実は企業におけるマネージャーや経営者も目の前に前任者の残した山の様な仕事があるために、戦後決まった象徴天皇という役割と同じであることに気がついている人は少ない。

 

ドラッカーは、その役割や仕事について著書で述べているが抽象的である。ただ一つ具体的に言っているのが、その役割を担う人材について「誠実で真摯な人材」を選ぶことだ。

 

すなわち、国家なり組織なりでリーダーシップをとるべき人材は、「誠実で真摯な人材」でなければいけない。そのような人は仕事を遂行するときにその姿勢に誠実さが現れる。仕事が無くなれば役割を自ら返上できる、すなわち自らをリストラできる管理職こそ優秀なリーダーだ。

 

日本に災害などの不幸な出来事が皆無になれば、象徴天皇という役割は現在のままでは自然消滅する可能性がある。NHKの特番では、異なる視点でこの問題を扱っていたが。

 

カテゴリー : 一般

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