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2019.05/11 可塑剤

高分子の添加剤に可塑剤と呼ばれるものがある。低分子化合物は効果の大小はあるが皆可塑剤になりうる。可塑剤を高分子に添加すると弾性率が下がることが知られている。

 

また、可塑剤の添加により高分子の融点(Tm)やガラス転移点(Tg)も低下する。一般に可塑剤は、弾性率を低下させたり、耐熱性を低下させたりして悪い作用をする添加剤と考えている人がいる。

 

ただ、可塑剤の添加で加工性が上がるので、こうした物性への影響があったとしても高分子の配合剤として使われている。最近Tmを下げるがTgを下げない添加剤を開発した。

 

この添加剤は面白いことに高分子の結晶化抑制効果もあり、結晶性が高い樹脂で靭性が落ちるのを改善することができる。今PPSについてデータはそろったのだが、面白いのはカオス混合を使用することが前提の添加剤なのだ。

 

このカオス混合が前提という条件からこの添加剤の効果発現機構が見えてくる。すなわち、コンパウンド段階では相溶しており、成形体になると球晶として析出している可能性がある。だからTgに影響を与えない。

カテゴリー : 高分子

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