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2019.06/26 高分子のプロセシング(7)

混練プロセスでは、高分子をマトリックスとした混練物の「混合」と高分子の「練り」が進行している。

 

 

「練り」では、高分子の絡み合いが進むのでレオロジーも変化する。加硫ゴムでは、この絡み合いの効果が成形体の物性に現れるが、樹脂ではその効果が現れにくい。

 

 

中間転写ベルトの体験は、この「練り」の効果が樹脂に大きく現れた事例である。高分子の混練効果について一般に使われる分配・分散モデルについて説明する。

 

 

混練における分散については、二つの形態で考える。

一つは破砕分散(DispersionあるいはDistructive dispersion)で、剪断力の様な大きな力で行われる分散である。

 

 

もう一つは単純混合(Simple mixing)あるいは分配分散(DistributionあるいはDistributive dispersion)と呼ばれる分散である。前者を分散混合、後者を分配混合という場合もある。

 

 

また、混練では、分散される材料を分散相(Dispersed phase)といい、分散相を分散させたい高分子を連続相(マトリックスあるいは Base polymer)と呼んだりする。

 

 

溶液であれば、前者は溶質であり後者は溶媒に相当する。よく体積分率の多い方をマトリックスと称したりするが、分散相が無機フィラーの場合には高分子相(連続相)の体積分率が50%以下でもその高分子相をマトリックスと称する場合もある。

 

 

混練過程の分配・分散モデルにおいて、分配混練とは、位置交換を主体とした混練で、破壊を伴わない場合、と説明されている。

 

 

一方、分散混練とは、粒子が破壊されて分散が進む過程として説明されている。しかし、実際の混練ではこのような最終状態のように規則正しくならない。

 

 

高分子とフィラーを適切な条件で混練した場合には、フィラー表面が高分子でよく濡れるため、さらに高分子の緩和(後述する)もありフィラーの分散では整然とした分散状態の構造をとりにくい。

 

カテゴリー : 高分子

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