2019.07/10 研究とは(3)
研究とは、新しい知を見出すために行う。これは研究者だけでなく技術者もよく意識しなければいけないことである。
もしこれを正しく意識したならば、捏造という行為が研究の世界にはいってこないはずである。
STAP細胞の騒動では、新しい知を明確に示すために、データの改ざんが成された。余分なシグナルを消したり、図を借用したりした捏造は、およそ新しい知に対する姿勢として不適切なものである。
新しい知は、真実である。これを示すためには、「真理」であることが大切である。技術では、実際に機能していることが重要なので、製品を手にすれば「真理」であることを確認できる。
科学の研究者は、新しい知を論文で示さなければいけない。これが技術者よりも研究者を不適切な道に導くことになる。
技術者は機能している「モノ」を作らなければいけないのでごまかせばすぐ品質問題となるが、研究論文ではごまかされてもすぐに問題が明らかとならないことがある。
この意味では、技術者の方が新しい知を見出した時にそれを示すのが難しく、研究者には、問題をごまかすことができるゆとりがあるという意味で易しい職業と感じたりする。
しかし、問題が起きたときに、科学の研究者はその職を一切失うことになる。技術者はお金で解決がつくので、研究と言う仕事を遂行するときに技術者は研究者より気楽な職業なのだ。
カテゴリー : 一般
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