2019.07/18 被害者に同情する
山陽新聞デジタル版のニュースがヤフーニュースで昨日取り上げられていた。ローカルニュースとは言え、とんでもない事件である。また、ルールを破っている点で弁解など意味のない、あきらかに犯罪である。
ニュースでは「誤って刺した」となっているが、規則を守っておれば、誤って刺してもケガをしなかったはずという事実を基に考えなければいけない。ニュースの報じ方もおかしい。
これは、業務上の事故ではなく、明らかにケガをさせることを意図していた、すなわち、模造刀から本物のサバイバルナイフに変えた瞬間に、そのような意図が働いていた、と考えるのが常識である。
「岡山県警察学校(岡山市北区玉柏)で昨年12月、刃物を持った犯人と対峙(たいじ)する実践訓練の際、犯人役をしていた教官の男性警部補が、昨春県警入りした初任科生の男性の胸を本物のサバイバルナイフで誤って刺してけがをさせた。」という事件である。
この事件の結末は、初任科生はその後、岡山西署に被害届を提出して退職している。すなわち、被害者が退職し、加害者は組織に残ったのだ。
本事件は異常である。すなわち、訓練では模造刀を使うことになっていた(規則で決まっていた)のに、本物のサバイバルナイフを使用していた点(注)と、ケガをさせた事実が、隠蔽化されたこと、初任科生が被害届を出していたこと、加害者がまだ組織に残っていることなど常識的感覚からずれている。
最近どこかのニュースで、いじめ問題において、いじめられた側が転校していじめた生徒はそのままの日常を送っている矛盾を指摘していた。
今回の県警の事件で異常に思える点は、被害者が被害届を出していたことと、それを隠蔽化していた組織である。
被害者が退職していたことも異常であるが、被害者の気持ちを考えると理解できる。そして被害者の気持ちを理解したうえで、退職しなければいけない異常性を社会は問題にしなければいけない。警察がそのような異常な組織であると思うと安心して生活できない。
(注)ニュースでは、模造刀を捨てて、用意していたサバイバルナイフを取り出した、と詳しく書いてあった。ここまで書かれているのに事故というのはおかしい。社会の中で起きれば明らかに犯罪となるケースが、組織の中であれば犯罪にならない、という法治国家であるまじき事件である。日本ではこのような事件が時々起きる。
カテゴリー : 一般
pagetop