2019.10/25 東京モーターショー(続き)
東京モーターショーの話題は、これまで未来技術研究所(http://www.miragiken.com)に掲載してきたが、今年は例年のモーターショーと少し異なっていたのでこの欄で書いている。
東京モーターショーのその年のテーマ展示は、自動車関連企業にとって勉強できる場所でもあったが、今年は家族で技術を楽しめる様な内容になっていた。これは、会場に行って確認して欲しい。お化け屋敷ではないが、自動車業界以外の業界も参加し、そこそこ楽しめる。
当方が若ければ、迷わずここでデートをするだろう、そんな展示である。未来の車社会を話題にしており、屋台もあるので2時間ほど楽しめる。
ところで恒例の自動車メーカー社長のプレゼンテーションは、豊田社長のプレゼンがダントツだった。また、そこで未来の車社会を考えるヒントを提示していた。もっとも豊田社長は未来の車社会という表現をせず、車ではなく人が中心と表現していたが。
また、おなじみトヨタのカイゼンだけでなく、豊田創業者の発明である「自働化(自動化ではない)」と「ジャストインタイム」が人を中心とした生産方式であるとPRしていた。
昔の乗り物であった馬が、今では競争馬しか残っていないように、自動車はスポーツカーしか残らない、と説明し、未来のスポーツカーのコンセプトモデルを提示していた。
すなわち、未来の車社会ではカーシェアリングが進み、単なる移動手段になってゆく。人が所有するのはスポーツカーだけだ、と言うのである。
このような大胆な発想でトヨタを経営されているならトヨタから面白い車が出てきそうである。そしておそらく自動車エンジンは将来も残ってゆくに違いない、と感じた。
ハイブリッド車はガラバゴス化して日本国内だけで生き続けるのかもしれない。その時、ハイブリッド車には、日産が提示したエンジンで発電する方式も残っているかもしれない。ただし、そのエンジンはレシプロではなく、マツダが展示していた小型のロータリーエンジンである。
当方は、競馬の馬に相当するのは、車そのものではなく、ガソリンで動いているエンジンのような気がしている。すなわち、スポーツカーだけでなく趣味性の強い車が所有される車として残るのではないか、と考えている。
スバルからは往年の名機の水平対向エンジンのファイナルエディションが限定発売されるという。スバルのこのような限定発売の車は、毎度すぐに予約で売り切れる。
2020にモデルチェンジされるレボーグの新車発表は、このファイナルエンジンの引き立て役のようなイメージに見えた。かねての噂通り2000ccは無くなり、1800ccターボに代わる。デザインは、少し塊感が増したが現行車種と酷似している。もちろんアイサイトは進化し、自動運転可能となる。
ダイハツからは1000ccターボ(100馬力)のSUVが新発売になる。コペンも楽しい車だったがこのSUVも日産が新車として発売してもいいような車に仕上がっていた。ちなみに車の重量は1t未満であり、スポーツカー並みの走りを期待できる。
日産ブースでは、このクラスに相当するジュークの後継車種の発表が無かった。また、社長のプレゼンも無く役員による技術の日産と自動運転だけの乏しい内容で、デザイナーの役員が5分間の研究所を管掌する役員のプレゼンの後、日産デザインについて語っていたが、国内2位から3位に後退後4位に落ちそうな内容だった。
日産は三菱自動車とルノーと一緒に有明サイトで展示していたが、三菱自動車がマツダと見間違えるように目立っていた。日産社長が自動運転を持ち出してもスバルのアイサイトが連想されるようなビデオだった。
やっちゃえ日産ではなく「このまま、どうするの日産」というのが今年のモーターショーの見どころかもしれない。おそらくこれでは日産の国内販売の迷走は続くだろう。株主は注意したほうが良い。
マツダは、これまでのマツダデザインの流れとは異なるEV車を展示していた。観音開きのしゃれたデザインで、RX-8を彷彿とさせる。
スズキは、面白い車を出しており手堅い展示内容で4輪で生き残りをかける気概が見えていた。カワサキはとんでもない馬力の二輪車を展示しており、最後の花火のように見えてしまうのは不思議である。
ヤマハのスクーター展示は、カワサキとは対照的。数少ない外車のメルセデスは、外車として目立っていた。フォルクスワーゲンやBMWまで出展していなかったのにはびっくりした。
カテゴリー : 一般
pagetop