2019.10/27 気がつきにくい組織内の異常
神戸市の小学校で起きた4人の先生によるいじめの問題について多数の意見がWEBに出ているが、不思議に思うのは多くの意見が特殊な問題あるいは働きすぎという昔から放置されてきた問題、その他管理者の役割について言及していない点である。
今回の事件は、起きているのが確かに教育現場であり、常識的に考えてみても、加害者教諭がおかしいのだが、組織内の異常として捉えれば、これは組織管理者が十分に職責を果たしていなかった結果発生した問題あるいは組織管理者が少しおかしい考え方なり価値観の人物だったから起きた事件である。
直接の原因はどうであれ、管理者がその役割を行使し、小さな問題のうちに対応していたなら、刑事事件まで発展しなかった問題である。
組織内の風土は、組織管理者が努力して積極的に働きかけ健全に保つべきもので、野放しでよくなるものではない。これは、高学歴集団である教師の組織でも同様だ。高学歴だから誰もが健全な価値観を持っているという保証はない。
ところで組織管理者が日々発生する異常に、異常として検知できる価値観を持っていない時には、組織はどんどんと社会の常識的価値観から外れてゆく。
仮に正常な価値観を持っていたとしても、管理者が積極的に組織に働きかけなければ、組織内のささやかな異常にはなかなか気がつくことが難しい。
これは30数年組織で仕事をしてきて、ある時には組織の被害者となり転職(ドラッカーは、だめなリーダーの異常な組織において担当者はその組織から抜け出す以外に助かる道は無いと説いている。これはNHK朝ドラ「なつぞら」でも草刈正雄演じるおじいさんからも同じ意味の言葉が語られている)した経験や、ある時には企業の組織として成果の出ない異常な状態を健全な成果の出る組織に変えた管理者としての経験から感じている。
管理者は日々胃が痛くなるほどの葛藤努力をしなければならない役割である。担当者として組織の被害者ならば転職すれば被害者ではなくなる。しかし管理者が逃げ出したり、役割を遂行しなければ被害者を生み出すことになる。
ちなみに当方が転職後、ゴム会社では、さらにとんでもない事件が起きている。この事件はTVのニュースでも伝えられた。風土の劣化を放置した結果、常識では想像のつかない事件が起きた。
管理者なりリーダーが怠慢な結果起きたのが神戸の教師によるいじめ事件だと考えている。組織がいろいろ問題を抱えていた場合に、一つ一つ解決の努力を行うのが組織管理者リーダーの役割である。
カテゴリー : 一般
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