2019.11/05 浪人
大学全入時代に浪人率が未だ10%以上あるという。多い時には受験生の40%が、平均3人に1人が浪人する1990年以前なら浪人も仕方がない、という時代だったが、今は浪人すべきではない、というのが当方の見解である。
大学など入れるところに入学しておけばよく、勉強などどこの大学でもできる。また、そのくらいの気概で大学進学すべきだろう。大学は今も昔も学び究める場所だ。
もし、浪人してでも特定の大学に入る意味があるとするならば、あこがれの先生のいる大学だろう。
ところが高校時代にあこがれていた先生がとんでもない先生だった、ということも昨今はあるようなので、やはり浪人しないで入れる大学に入ってまず新しい勉強を早めにスタートし、社会へ少しでも早く貢献できる道を選ぶべきだ。
どこの大学でも学生にとって不適な先生もおれば素晴らしい先生もいる。社会で仕事をしていて高校生時代と認識を変えたのは、大学は偏差値ではない、ということだ。
世界のランキングを見てもトップ3に日本の大学は入っていない。グローバルな視点ではどこの大学でも日本では同じだ。もし本当に良い大学を目指すならトップ3だろう。
学ぶために、それが良いとも思わないが、大臣の発言で問題となった「身の丈」で決めるのが良いのかもしれない。
たまたま、浪人の意味について大東文化大学の香川講師が研究発表した、という記事を目にしたのでこのようなことを書いている。
この研究の結論は、男性は浪人してもその後の人生にプラスになっていないが、女性の場合には収入増など大きなプラスになっていたという。すなわち、浪人について、その後の人生に男女差がある、というものである。
これは、何となく理解できる。今の社会では、卒業後3年もたてば大学名など何の意味もなくなる社会だ。偏差値日本一の東大卒でも会社員となった時に仕事ができなければ、学歴は負の遺産となる。
また、採用時に大学名を伏せて面接をする会社も増えてきており、わざわざ難関大学に浪人してまでも入る価値は昔ほど無くて、今や大学名は自己満足以外の何物でもない、というケースもある(他方首都大学東京を都立大学に戻す話も出ており、大学名が就職に影響する、という現象もあるようだが)。
しかし、女性の場合には、男性と異なり、子供を産む年齢の制限もあり、1年でも無駄にしないようにと浪人すること自体に気合が入っているから香川講師の研究結果に現れたのではないかと思う。
実際に浪人した女性社員と一緒に仕事をしたことがあるが、年配の有名私大卒の男性社員よりも頼りがいがあった。
一方浪人してわざわざ高偏差値の大学を出てきたある男性社員は、少し勘違いをしており、有名大学を出ておれば部長まで昇進できると思う、と新人1年目の振り返りの面談で答えていた。
その時、それは大きな勘違いだ、社会に出てもよく勉強しろ、と忠告したが理解してもらえなかった。風の便りにその男性社員の仕事ぶりを聞いたが、20年前の忠告が生きていなかった。
香川講師の解説にはこのような見識の男性社員の話は出てこないが、浪人した女性の方が同じく浪人した男性よりも社会を見る目が厳しいためではないか、とレポートを読んでいて感じた。そこのところを少し掘り下げてほしかった。
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