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2019.11/26 笑えない話

本当は面白い話なのに笑えない話というシーンに何度も出会っている。例えば、無機材質研究所留学時に高純度SiCの合成実験を新品の電気炉を用いて行ったときの出来事は、人生最高の笑えない話である。

 

もっともこの話、第三者にとって笑えない話となるかどうか、というと「ウソだろ」という人もいれば、「わけわからん」という人まで様々だ。

 

しかし、実際に起きたオカルト的な出来事である。

 

昇進試験に落ちた、と人事部長から連絡が入り、無機材質研究所猪股先生のはからいで1週間だけ昇進試験に書いた新事業推進のエンジンとなる高純度SiCを合成するチャンスを頂いた。

 

この話は以前、詳しく書いているのでここでは簡単に、そのチャンスを生かした実験での出来事としておく。

 

1週間の実験という時間的制約があり電気炉を1回しか使えないので、そのたった1回の実験でよい結果を得られるようにお祈りをしていた。

 

すると、電気炉が突然暴走し、その後の偶然のアクションも加わり合成条件として最適な結果となり、1回の実験で最良の高純度SiCを合成できた。

 

その後、この時合成された粉体に対してゴム会社社長から2億4千万円の先行投資を受けたので、人生の大逆転劇となった本来は「笑える話」だ。

 

しかし、電気炉の前でお祈りして、その結果電気炉が暴走した、という現象は、無機材研の安全員会で、原因不明の出来事となり問題となった。

 

科学的な原因を解明するまで実験しなければならず「笑えない話」となった。

 

人生、誠実真摯に努力していると神様が報いてくれると亡父は口癖のように言っていたが、神様が報いてくれた出来事で結局再現できないことを示す実験結果をまとめ事態を収拾している。

 

 

カテゴリー : 一般

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