2020.07/21 プラスチックごみ
プラスチックごみを資源ごみとして分別回収しようという方針が決まったようだ。名古屋河村市長のご意見を拝見したい。
理由は、10年以上前、名古屋では廃プラについて細かく分類し、資源ごみとして回収していた実績があるからだ。
ところが当時政府の専門家委員会とやらがサーマルリサイクルが最も経済的、という方針を出したので、それに河村市長はかみついた。
河村市長の希望に近い形になるかどうかは知らないが、10年以上前に決まった政府方針とは異なる方針であることは確かで、名古屋市長がどのような対応を取られるのか興味深い。
プラごみのリサイクルで問題となるのはコンタミである。仮にきれいに洗浄でき、樹脂だけうまくとりだせたとしても、バージン材同様の純度まで上げるにはコストがかかる。
多種類の樹脂のブレンドでも性能が出る様な手法があればよいが、非相溶系のポリマーブレンドでは、海島構造となり、島相の性質によっては強度の出ない樹脂となる。
多成分のポリマーブレンドについて過去に実験した結果では、一般の二軸混練機で混練しても良い物性が得られなかったコンパウンドが、カオス混合すると実用に耐える物性になった。
ある添加剤を添加したところ、さらに性能が向上した。樹脂の電顕写真を観察したら、二軸混練機だけで混練したコンパウンドは大きなドメインを形成した相分離構造だった。
しかし、ある添加剤が添加されてカオス混合されたコンパウンドでは、サラミソーセージのような複雑な構造をしていた。
ブレンド系高分子の設計は、セラミックや金属などのブレンド技術よりも難しい。理由は、セラミックスや金属では、結晶を目標に設計してやれば、そこそこの材料が得られるが、高分子ではそのような設計方針を取ることができない。
しかし、難しいように見えるが、ある形式知に着目すると簡単に面白いアイデアが出てくる。ご興味のあるかたは問い合わせていただきたい。
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