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2020.08/26 企画を成功させるために(2)

「モノを持ってこい」と言われて、マジックのようにモノを出すことができるのか。マジックでも種があるので、この場合もコツがある。

 

一番重要なのはヒューリスティックな問題解決法とその結果形成されたコンセプトである。プロポーズをしたところ彼女から無理難題を押し付けられたかぐや姫の時代と異なり、今はお金をかければそこそこのモノを作ることができる。

 

ゴム会社の本部長が言っていた「モノ」とは、コンセプトが具現化された実体であれば良かった。

 

例えば、SiCウェハーと称して提出したのは、ホットプレス成型された高純度SiCをそのまま薄く輪切りにしただけである。ヒーターも同様でカーボンを助剤にすればカーボン層が導電体となり高純度ヒーターとなる。

 

本当にそれが使えるかどうかは不明だが、とりあえずモノができれば、研究開発の失敗は無くなる。次の段階である事業性の見積もりを他部門にまかせれば、事業化と研究開発をコンカレントで進めることが可能な一種のアジャイル開発となる。

 

「まず、モノを持ってこい」と部下を指導した本部長の思いは、ここにあったが、当時はアジャイル開発の概念など無い時代で、おまけに研究部門の管理職は皆研究者であり、その理解などできなかった。

 

当方は高校時代からドラッカーが愛読書だったので、本部長の思いをすぐに理解できた。本部長が交代しても前本部長の思いを踏襲した業務のやり方をしていたので研究者あがりの新しい本部長には受け入れられなかったのだろう。

カテゴリー : 一般

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