2020.10/12 無料セミナー
来週開催予定の無料セミナーについて。高分子の難燃化セミナーでは、概論を簡単に説明し、データ駆動型実験により難燃剤無添加で開発されたUL94-V2合格環境対応樹脂について解説予定である。
マテアリアルインフォマティクスが最近流行している。AIを使って材料開発、というといかにも今時の手法に見えるが、多変量解析の活用やタグチメソッドもこの手法の一つであり、多変量解析であれば1970年代より開発に活用されてきた。
当方が初めて多変量解析で研究成果を出したのは、タイヤの軽量化技術であり、タイヤメーカー20社の同一サイズのタイヤデータを主成分分析にかけ、各社の特徴を明確にし、さらに主成分得点などを活用し、予測される最軽量の重量見積もりやその時の構造の特徴を明らかにしている。
当時はマイコンが登場したばかりでインテルの8088やザイログのZ80評価キットが販売されていた。
また、シャープはZ80搭載パソコンの発売を開始したが、搭載メモリーは全部で48Kバイトであり、それで多変量解析を行うならばF-DOSのセットが必要だった。
当方はパソコンではなくIBMの大型コンピューター3033付属の統計パッケージを使用して成果を出している。
ゴム会社には大型コンピューターが2台あり、1台は先進のPOS用であり、1台は技術者に開放されていた。
しかし、データを入力すればすぐに結果が出るわけでなく、新入社員のデータは計算処理が後回しにされることが多く、翌日に計算結果を見ることもあった。
多変量解析の有用性について社会人スタートの時に理解することができたのは幸運だった。科学で不明確となりそうな開発では、データ駆動の実験に切り替えて成果を出すことができた。
これが科学が命よりも大切に思っているような研究者には、腹が立つような手法に見えたのかFDを壊されるような研究の妨害(隠蔽化の動きがあり、転職の決断をしている)を受けている。今はアカデミアが率先してそれをやろうというのだから時代の進歩だろう。
イムレラカトシュは、科学と非科学の境界は曖昧であり、時代によりそれは変わる、という名言を残している。これは名言であり、弊社の問題解決法のよりどころでもある。
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