2020.11/01 スピーカーと科学(1)
オーディオという趣味は死語に近くなった。家電量販店に行ってもそのコーナーは急激に縮小されている。オーディオコーナーの無くなった店もある。
オーディオ専業メーカーも倒産したところや事業提携、ブランドだけと様々で、家電メーカーでオーディオ事業を展開しているのはパナソニックだけとなった。
また海外のスピーカー専業メーカーの台頭は著しく、日本メーカはフォステクスとオンキョーのBtoBビジネスぐらいしか頭に浮かばない。
ただ、自作スピーカーについては、とび猫とか音工房Zなどの個人事業主の個性豊かな国産メーカーが誕生している。
それでは、オーディオ技術は完成したのかというと、実は未完成のままで、自然界の音を家庭内でそのまま再現することはもちろん未だに不可能で、コンサート会場についてさえ難しい。
我が家では、ライブハウスの環境程度を再現できる機器を揃えているが、それでもまだ不満で、俗にいうところのオーディオは底なし沼ではないかと思っている。
音量だけでも満足できるぐらいのエネルギーで再生したならば、おそらくご近所からクレームが来るだろう。
ROTELのアンプにBOSEとONKYOのスピーカーでそこそこのコストパフォーマンスの高いオーディオ環境を構築してみても、都内の住宅街では防音室でオーディオ専用ルームを作らないかぎり、商品性能を最大限に生かすことができない。
すなわち、オーディオという趣味は、隣人からクレームのこない専用のオーディオルームを作れるかどうか、で満足感が分かれるように思う。
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