2020.12/03 技術者の解放(18)
傾斜機能粒子や超微粒子分散型微粒子のアイデアは、論理集合の補集合を利用して生み出している。粒子には、均一構造の粒子と不均一構造の粒子があり、ウィンズローの成功から電気粘性流体で検討されてきたのは、均一構造の粒子だった。
この理由は簡単で、科学的に議論しやすいからである。不均一構造ではそれを一義的に定義することさえ科学的に難しい。
どのような実用的意味があるのか知らないが、ガラスについて未だに「その規則的構造」が、科学の世界で議論されている。しかし、技術者がまず関心を示さなければいけないのは、例えば「構造が引き起こす機能」である。
科学の世界では、議論のしやすさから、たびたび高機能を含む現象を排除し、機能が低い現象を取り上げたりする。この事実に気がついていない人は多い。
技術者は実用性のある高機能を含む現象を率先して選ばなければいけない。たとえそれが科学的に議論が難しい現象でも、高機能により引き起こされている現象ならば、それを研究対象にしなければいけない。
故田口先生と議論していた時にうまくこの点がかみ合い、先生の意図された基本機能というものを納得できた。タグチメソッドでは基本機能という概念を理解することが最初の一歩であるが、ここでつまずく科学者は多い。
電気粘性流体用に設計した各種粒子のアイデアは補集合に着目した結果ですが、このほかにアイデアの出し方は多数あります。今月当方の開発した事例を用いたアイデアの出し方について無料セミナーを行います。
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カテゴリー : 一般
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