2021.02/12 高分子の難燃化技術を考える(8)
殆どの難燃性評価装置が外国人により発明されたように、極限酸素指数法も日本人により産み出された装置ではない。
1960年代にはじまる経済成長下の日本が諸外国から猿真似国家と呼ばれたが、改良や応用技術は得意だった。
極限酸素指数法(LOI)の発明はできなかったが、それにセンサーや制御装置を取り付けて、LOIの全自動化測定装置を日本人は発明している。
ところが、それが使われないままホコリをかぶっていた。原因は発泡体のような燃焼速度の速い高分子材料の場合に制御が追いつかず全自動で測定できなかったからだ。
購入してすぐに使いものにならないことがわかり、2年ほど腫れ物に触るような気づかいをしていたらしい。ホコリを払い、使おうとしたら女性の指導社員から触らない方が良い、と注意を受けた。
どうもこの装置について話題にすることも皆避けていたようだ。しかし、見るからに高価な装置を廃棄時期が来るまで放置しておくのはもったいないので、発泡体の測定ができるように改造してみようと装置を掃除した。
指導社員と改造案について少し議論していたら、主任研究員(課長)が入ってこられ、君これを動かしてくれるの、是非それで成果を出してくれ、と言われた。
指導社員は、それみたことか、と言わんばかりに、その場から逃げ出した。当方は、使えるようにすればいいですね、と質問したら、だめだ、それで成果を出すことが大切だ、と言われた。
LOIがJIS化されるとのことで、少しでも早く学会発表したい、と課長は言われた。すなわち、成果とは研究成果のことで、LOIについて新しい発見をすればよい、簡単なことだ、と課長は言われた。
カテゴリー : 一般
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