2021.05/21 ユークリッド幾何学と技術(2)
ユークリッド幾何学は直感的に納得できる空間の幾何学である。図形の問題を解くときに、たった1本の線や点に気がつくかどうかで、その図形の問題を解くことができるかどうかが左右される。
座標系やベクトルを使い解析的に解けば誰でも解に至る場合と比較し、直感に左右される点が科学の時代にそぐわないので高校数学で教えなくなったと思われる。
直感に左右されると言っても、経験を積めば、直感ではなく経験知を基に解析数学よりも短時間に問題を解けるメリットに着眼しないのは、やや偏屈な考え方である。
教育では科学教育こそ重要と言う考え方の日本でプログラミング教育がようやく義務教育のカリキュラムとなったが、ユークリッド幾何学も復活させても良いのではないか。
当方は、大学入試問題で図形の問題を解くときには、まずユークリッド幾何学で考えていた。その方が解の見通しが早かったからである。また、解答も数行で終わる場合があった。ユークリッド幾何学とベクトルのミックスも行っていた。
例えば2点A,Bからの距離の比が一定の時に点の軌跡が円になるというアポロニウスの円を知っていると、わざわざ座標を設定して図形の問題を解くよりも短時間に証明が可能である。
このスピード感は、科学の時代でもヒューリスティックあるいは直感を活用した技術開発で味わうことが可能である。これを非科学的と否定し、技術開発で排除するのは間違っているように思う。
技術開発を仮に直感で行ったとしても出来上がった技術を科学的に解析すれば、それは立派な科学技術である。スピード感のある方法で機能を開発し、その妥当性を科学で証明する、そこで生まれた形式知を基盤技術として伝承してゆくのが企業の開発スタイルとして好ましいと思う。
カテゴリー : 一般
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