2021.11/11 初期故障の問題
高分子材料の破壊について、それを科学で理解することが難しい、と言う話を昨日書いた。早速質問が来た。弊社はワイブル統計の計算プログラムを現在無料公開しているのでそれを使ってみてはどうか、と回答している。
実務で困る問題の一つに、研究開発過程で高分子材料の破壊寿命を予測し材料設計したにもかかわらず、量産を始めたとたんに不良品の山となった、と言う初期故障の問題がある。
これを一山いくらで扱ってはいけない。この初期故障の情報を注意深く解析する必要がある。18日のセミナーでは事例で説明するが、コンサルティングテーマとなるような課題である。また、時には忖度が重要な武器となるアカデミアの先生でも解決が難しい問題でもある。
技術者にとっては、課題の一つとなっており、現場の状況に応じて粛々とアクションを展開してゆくことになる。このような問題を科学者に質問すると大変である。いつ課題に展開されるのか不明なだけでなく、逆に「なぜ」と質問を投げかけられる。
研究開発過程でうまくいっていたデータを見せて相談するので、多くの場合にアカデミアの先生にとっては不思議な現象と見えるのが初期故障である。
だから、品質故障という問題がどのように発生しているのか実務経験が無いと隘路にはまる場合もある。初期故障の問題は工程管理で対応可能などと書いてある品質管理の実務書もあったりするが、高分子材料に関わる初期故障については実務書に書かれていない原因が潜んでいたりする。
ここでは書けない話である。18日のセミナーではオフレコ前提でご説明する。高分子材料の初期故障はややいかがわしい問題も含んでくる場合がある。例えば数年前材料メーカーのデータ捏造問題で社長が謝罪したにも関わらず大騒動になっていない事例が存在する。
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