活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2021.11/27 高分子材料のツボ(12)

高分子は多成分系であり多分散系、と言う話をしたが、天然高分子は単分散系である。例えば天然ゴムのGPCを測定するとシャープな分子量を分布を示す。


高分子量で分布が狭い系に添加剤を分散しようとすると、その組み合わせにより分散しにくい場合が出てくる。多少は低分子量のものが存在してくれていると他の分子を分散するのに好都合であることは、妄想として頭に描くことが可能である。


タイヤ用のゴムの混練はバンバリーとロールを用いるが、バンバリーで混練する前に天然ゴムだけをロール混練するノウハウがある。すなわち天然ゴムの分子量分布がシャープなためバンバリー中で添加剤が分散しにくい場合にこのノウハウが使われる。


このノウハウが使われている場合のゴムの混練プロセスは、ロール→バンバリー→ロールとなる。教科書には、ゴムの混練ではバンバリーでノンプロ練を行い、ロールでプロ練りを行う、と書かれていたりするが、実際の現場ではコンパウンドの性能を上げるために様々な混練プロセスが工夫される。


面白いのは樹脂のコンパウンドを開発されている方にこのような発想が乏しいのだ。二軸混練機一発で行うのが高分子のプロセシングだと勘違いしている人もいる。確かに生産性やコストを考えるとそうなるが、高性能の樹脂を製造しようとしたならばプロセシングを工夫しない限り良いものを作れない。


どうしても二軸混練機が命と考えておられる方は、カオス混合装置を検討してほしい。弊社が特許を保有しているのでご相談いただきたいが、10kg/hの吐出量ならば300万円前後であり、今中国で500kg/hクラスのカオス混合機が稼働している。これは少し高い。

カテゴリー : 一般 高分子

pagetop